2021年東京で行われた世界的スポーツの祭典、その開会式でのパフォーマンスが記憶に新しい「ドローン」。ドローンの活躍は年々その分野を広げ、水中ドローンや集団パフォーマンスなど新しい話題に事欠きません。また2022年に導入される、ドローンの免許制度にも関心が集まっています。進化するドローンや新しいドローンの楽しみ方など、ドローン最新事情を紹介します。
ドローン免許にも関心高まる!話題のドローン最新事情
華麗なる集団飛行!ドローンの制御技術に注目
操縦者の目の届かないころまで無人で飛行できるドローン。その利点を活かし、農薬散布にはじまり、災害現場や建設現場など様々な分野でドローンは活躍しています。水中ドローンは水産業や水中撮影などに利用されていますし、エンタメの世界でも今やドローンは欠かせません。ドローンによる上空からの美しい映像をTVで目にしない日はありませんよね。
なかでも最近注目なのが、大量のドローンを使った集団パフォーマンスです。国立競技場で行われたスポーツの祭典のセレモニーでは、1824台のドローンが空中にマークやエンブレム、そして立体的な「地球」を描き、多くの人をあっと言わせました。あの1824台のドローンを制御していたのは、実はたった1人だと言いますから驚きです。またある企業は3281台のドローンを使い、夜空を背景に企業プロモーションをやってみせました。大量のドローンが次々に隊列を組みかえ、ブランドのロゴや文字を次々描き出す「空中アニメーション」は圧巻です。群衆ドローンでの現在のギネス記録は5184台で、それはドローンを使い、空中にスクリーンを作り上げ、映像を映し出すものでした。1機1機のドローンをドットに見立てた映像はやや粗いものの、ドローンの新しい可能性を感じさせられます。
またドローンを使って空中にQRコードを描くことも可能だとか。ドローンが夜空に描く巨大なQRコードを目にすれば、誰もがついスマホを向けてしまいそう。なんともダイナミックなプロモーションが実現する日も近いようです。
今注目の「ドローン免許」とは
商業利用だけでなく、趣味でドローンを飛ばす人も増えています。ドローンを飛ばすには、何か特別の年齢制限やライセンスが必要なのでしょうか。今のところ一部の農業用ドローンを除き、ほとんどのドローンは特別な資格や免許(ライセンス)が無くても自由に購入し、飛ばすことが可能です。
ただしドローンを飛ばすにあたっては、いくつかの法律に気を付ける必要があります。たとえば、空港周辺やイベント会場上空での飛行、夜間飛行などは航空法その他で制限されており、許可や承認が必要です。道路での発着は道路交通法に引っ掛かる場合がありますし、ドローン撮影によるプライバシー侵害といった問題にも気を配らなければなりません。残念ながらドローンの普及に伴い、ドローン関連のトラブルや事故も増加しています。その原因の多くが、飛ばしてはいけない場所で飛ばしていたこと。免許は不要でも、ドローンを飛ばす前にはそうした法律や自治体による条例を把握し、必要な手続きを行う必要があります。
もっとも、2022年には日本でもドローンの免許制度や、登録制度・機体認証が導入されることになりそうです。と言ってもすべてのドローン使用に免許が必要になるわけではなく、対象は「有人地帯での目視外飛行」。つまり都市部など人の多いところでドローンを遠くまで飛ばすには免許が必要になります。ドローンを使って仕事をするのなら免許取得が必須になるかもしれませんが、とはいえ趣味で空撮を楽しむ程度であれば、当分は自由にドローンを楽しめそうです。
小学生が優勝!?世界で開催されるドローンレース
最後に、刺激的な新しいドローンの楽しみ方をご紹介しましょう。それが「ドローンレース」です。ドローンレースとは、設定されたコースを、ドローンを遠隔操作して飛行し終えるまでのタイムを競うもの。途中に様々な形のアーチやトンネルが設定されることもあり、電飾で浮かび上がるコース上を飛び回るドローンのスピードは時速100kmになることも。滑空するハヤブサを見るようなドローンレースは、美しくもスリリングです。
ドローンレースは国内外でいくつも開催されています。海外には高額な賞金を目玉にしたものもあり、総額1億円ものビッグレースも開催。YouTubeなどで配信される大会は何万人もの視聴者を集め、年々ドローンレースはファン人口を増やしています。2021年に行われた国内最大級のドローンレースでは、優勝者が小学生だったことが話題となりました。もっともドローンレースではレーサーが若いことはそう珍しくなく、ドバイで開催された大会でも15歳の少年が優勝し、約2800万円もの賞金を獲得しています。
またもっと気楽に参加できるアマチュア間でのドローンレースも広まりつつあります。大人でも子どもでも楽しめるドローンレースは、もはや新しい「eスポーツ」としても徐々に根付きつつあるようです。
ますます注目のドローンから目が離せない
集団飛行の妙技からドローンレースなど、ドローンの話題は尽きません。今後はさらに開発が進み、さらなる世界観の広がりが注目されています。それに伴い、法整備や免許制度の導入、ドローン操縦に必要な知識の周知徹底など、クリアしなければならない課題も浮上しています。ドローンから今後も目が離せません。
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