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アーカイブとは何か?故人を生き返らせるライフログやAIチャットボット

2022.8.4

どんなに科学が進歩しても時間を止めることはできません。その代わり、私たちは未来への遺産を鮮やかなままで残す方法を手に入れようとしています。デジタル技術の進歩でさらに活用の幅が広がる「アーカイブ」とは。また、デジタル・アーカイブが可能にしようとしていることとはなにか。私たちの倫理観にまで影響を与えようとしている、アーカイブについて解説します。

アーカイブとは?行動や生活がデジタルデータとして蓄積される時代

数年前には「知ってるようで知らないカタカナ語」ランキング上位にいた「アーカイブ」という言葉ですが、今では多くの人が日常的に目にするようになりました。本来、アーカイブ(archive)とは「価値のある文書や資料を保管すること。またはその保管場所、あるいは保管する作業」という意味ですが、最近はIT用語として使われることが多いようです。

例えば、特定のデータを保存することを「アーカイブする」という場合があります。「バックアップ」と異なるのは、バックアップは有事の際に備えて必要なデータの複製を取る作業であるのに対し、アーカイブは使う頻度は低いけれど失われると困るデータを保存する作業のことです。また、メールや写真に関して「アーカイブ」が使われることもあります。この場合のアーカイブは、受信トレイとは別の場所に保存することを意味しています。

最近では、「デジタル・アーカイブ」という言葉も聞くようになりました。これは、残しておきたい資料をデジタル化して記録・保存することを指します。例えば、保管場所に困った子どもの作品を写真に撮って残すという方もおりますが、これも一種のデジタル・アーカイブです。場所も取らず劣化もさせず、他の人にも簡単にシェアできるデジタル・アーカイブは、近年、さらに活用の幅を広げています。

人の声をまねて「読み聞かせ」をするAIロボット

AIロボット

デジタル・アーカイブの大きなメリットのひとつは、有形無形を問わず、何でも保存できることです。古い絵画や文書はもちろん、口伝えに継承されてきた個人の技術など形のないものも保存可能です。保存したものは加工や編集もできるので、研究しやすくなったり、多くの人に安全に公開することもできます。

すでに教育や防災などへ活用されたり、昔の製品や金型のデータを今のモノ作りに活かすことも考えられています。ある企業は、歴史的に価値のある文化遺産をデジタル・アーカイブ化し、バーチャル・ミュージアムのような形で提供しています。また別の企業では、所有する天井画を3Dデジタル・アーカイブ化してVR空間に再現。スマートグラスを装着して、間近で鑑賞できるギャラリーを作りました。デジタル技術の進歩は、アーカイブの活用をさらに後押ししていくことでしょう。

AIや音声合成技術も、デジタル・アーカイブの新しい活用の扉を開きました。親の声とそっくりの合成音声を生成して、子どもに童話などを読み聞かせるスピーカーも登場しています。それでは、その技術を亡くなった人へ応用することは可能でしょうか。

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故人と会話ができるSNSが登場するかも?

故人と会話

大切な人のライフログをアーカイブしておき、AIに学習させることで、その人の死後、3Dデジタルでよみがえらせてコミュニケーションをする。そんな試みが実はもう始まっています。

ある世界的IT企業は、亡くなった人のデータをもとに3Dモデルを作成し、AIチャットボットとしてよみがえらせる技術を開発しました。故人とそっくりなホログラムやチャットボットを作り上げた企業もあり、亡くなった人の声で話すAIも開発されています。日本でもAI技術により、亡くなった有名歌手を再生したり、亡くなった漫画家の「新作」を作る試みが行われました。技術が進めばさらに昔の偉人たちがデジタル再生され、私たちに新しい知見を授け、新しい芸術を創り出す時代が訪れるのでしょうか。自分のデータを保存しておくことが、終活として当たり前になる時代がやって来るかもしれません。

もちろん、本人そっくりの声で話し、本人そっくりの3Dモデルが完成したとしても、亡くなった人の代わりにはなりません。だからこそ、大切な思い出は鮮やかなままに保存したい。デジタル・アーカイブは、そう願う私たちの時間への挑戦だといえるでしょう。

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アーカイブは未来を生きる私たちの重要な資産

多くのデータがデジタル化して保管され、現在を生きる人たちの心の支えになろうとしています。私たちの心の領域にまで及び始めているデジタル技術の進歩を、これからも楽しみにしたいものです。生活に癒しを与えてくれる存在はとても大切なもの。ユピテルでも「Juno(ユノ)」や「LVR-01」をはじめ、毎日を楽しくしてくれるパートナーによる癒しを積極的に提供していきます。


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【執筆】ユピスタ編集部
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