ビデオ式(画像式)マーカーレスモーションキャプチャーは、複数台のカメラを使って対象の動きをトラッキングする技術で、記録されたデータを解析して利用します。この技術はスポーツや医療(リハビリ・臨床研究)の分野を進化させています。スポーツテクノロジー・モビリティ・テクノロジーとして活躍するマーカーレスモーションキャプチャーを紹介します。
驚愕の身体拡張!身体マーカーとモーションキャプチャー
映画から医療まで幅広く活用!モーションキャプチャーのトラッキング技術とは
モーションキャプチャーは人や物の動きをデジタル化する技術のひとつ。代表的なものはマーカーを使う「光学式」と呼ばれる方法です。中の人、つまりモーションアクターの関節に取り付けられるマーカーは60個にもなり、細かな動きが要求される際には指の関節にまで取り付けられます。このマーカーが複数台のカメラから出る赤外線を反射し、それをトラッキング(追跡)することで位置を割り出します。この方法は精度の高さがメリットで、誤差1ミリ以下の精度でキャプチャー(捕獲)することが可能です。
モーションキャプチャーには光学式以外にも、慣性センサー(3次元の慣性運動を検出する装置)を体に取り付ける慣性センサー式、関節に磁気コイルを取り付けて磁界の歪みを記録する磁気式、関節にセンサーを直接取り付ける機械式などの方法があります。
いずれの方法でも、モーションキャプチャーは写真や映像だと死角になる部分の筋肉や関節の動きを三次元的に捉えることができます。これにより、リアルな動きをCGに落とし込むことができるため、ゲームやアニメのキャラクター、またVTuberたちが人間そっくりの動きをするのに欠かせない技術となってきました。さらに、最近ではスポーツ、医療、運動工学の分野でも活用されています。
そして今、モーションキャプチャーの新しい手法が注目されています。それがマーカーレスで人の動きをトラッキングできる画像式モーションキャプチャーです。
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マーカーレスでもトラッキング?!注目の画像式モーションキャプチャー
画像式(ビデオ式)モーションキャプチャーは、モーションアクターの体にマーカーを取り付ける必要がありません。複数台のハイスピードカメラやマルチビデオを使い、被験者の動きをそのまま撮影します。記録された画像から人体のシルエットだけを切り抜くと、そこから骨格モデルが自動作成されて関節の位置や角度を割り出します。
マーカーレスには様々なメリットがあります。まず、多くのマーカーを準備したり、取り付けたりする時間が不要になります。マーカーの取り付けにはコツがありますが、マーカーレスならもちろんミスも起こりません。加えて被験者に負担をかけないため、高齢者やリハビリ中の患者さん、赤ちゃんといった様々な人の計測がしやすくなるほか、マウスやラットの計測さえ可能に。また、望遠レンズを使えばグラウンドやスタジアムなどの広い場所でも計測できるので、試合中のスポーツ選手を計測することも容易です。処理が自動で行えるのも大きなメリットですし、マーカーレスならフェイシャルキャプチャー(表情を捉えること)でもより自由な表情をとらえることができます。
ただ、マーカーレスは光学式に比べて精度が低いという課題があります。また、基本的には撮影した画像を元に解析を行うので、光学式のようにリアルタイムに動きを見ることはできません。とはいえ、画像式はマーカーレスの様々なメリットを生かして様々な分野で活用されています。
スマホ1台でOK!活用の幅が広がるマーカーレスのモーションキャプチャー
マーカーレスは被験者に計測されていることを意識させることなく計測できるので、リハビリなどの医療・福祉の現場やスポーツトレーニングなどの分野でも活用されています。
例えば米大リーグのNLBでは、複数の球団が球場にモーションキャプチャーのシステムを設置し、ピッチャーの投球を計測しています。プロバスケットボールのNBAにもモーションキャプチャーを提供する企業と契約しているチームがあります。マーカーレスのモーションキャプチャーは日本でもバレーボールや野球など、多くのプロスポーツで練習に取り入れられています。
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さらに、近年ではAIの画像認識技術やスマートフォン、タブレットなどのカメラ性能が飛躍的に向上し、スマホやタブレット1つで全身をトラッキングし、モーションキャプチャーが行えるようになりました。専用アプリを使えば自宅で自分のトレーニングをスマホで撮影してモーションキャプチャーを作成し、分析や記録に利用することができます。また、自分の動きを撮影して好きなキャラクターの動きに反映したり、そのキャプチャーを使ってアバターやVRキャラクターを作成したりできるアプリも開発されています。
モーションキャプチャーは「専用スタジオで行う特殊効果」ではなく、自宅で気軽に楽しめる技術になりつつあるようです。今後、マーカーレスの課題が克服されていけば、さらに活用の分野は広がると期待されています。
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人や物の動きがデジタル化されれば、想像以上にたくさんのことができるようになります。マーカーレスによるトラッキングが可能となり、モーションキャプチャーはさらに手軽に、身近なものになりました。その利便性や楽しさをぜひ一度体験してみませんか。
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