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サービスや家電が自分好みに パーソナライズでスマートライフ、何がどう変わる?

2024.2.26

通販サイトで趣味嗜好に合った商品をすすめられることや、SNSで興味のある動画や広告ばかりが紹介されることを不思議だと感じたことはありませんか?こうしたサービスはパーソナライズと呼ばれています。ニーズの多様化に伴って広がるパーソナライズの仕組みとは?様々な機器がオープンプラットフォームでつながり、サービスや家電がAIで学習して日常をもっと快適に変えていく…そんなパーソナライズの今と未来を解説します。

レコメンド機能でAIがおすすめ?ニーズの多様化で進む、パーソナライズとは

パーソナライズ

自分の趣味嗜好にマッチした広告が続いたり、ネットで何かを買おうとすると「この商品に興味を持った人はこんなものにも関心を持っています」と別の商品をおすすめ(レコメンド)されたり。これらはパーソナライズというマーケティング手法です。

例えば、Googleではユーザーの検索履歴や閲覧履歴からその人の属性(性別や年齢、既婚か未婚か、興味のある分野など)を予測し、さらに同社が提供するメールや地図などのサービスとも連携してデータを収集し、属性に合わせた広告を自動的に送信します。なお、この設定はユーザー自身も見られるようになっており、広告の出る頻度などを調整することもできます。このように、ユーザー自身が自分に合わせて最適化することをカスタマイズといいます。

広告といえば、以前はテレビCMのような不特定多数に向けて同じ宣伝を打つことが一般的でした。しかし今は「みんなが持っているものが欲しい」ではなく、「人と違うこと・自分に必要なこと」を重視する人が増え、ニーズは多様化しています。そして、それにつれてマーケティングも変化してきました。

興味のない広告が続くと煩わしいものですが、関心のある分野の広告ならクリックする確率は格段に上がります。また、パーソナライズは自分でも気づいていなかった潜在的な需要を掘り起こすきっかけになるかもしれません。継続利用やリピートにつながるパーソナライズは今では様々な企業に導入されています。

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薬やコスメも!?活用の範囲を広げるパーソナライズの可能性

パーソナライズ

今やパーソナライズはマーケティングの枠を超えており、様々な分野で様々なモノが個人化・個別化されつつあります。そのひとつがエアコンや空気清浄機、湯沸かし器などの家電です。高性能のセンサーが搭載された家電はデータを収集・蓄積し、いちいち調整しなくても使う人にとって最適な状態を学習し、日々自動調整を続けています。

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ファッションの世界でもパーソナライズは進んでいます。ユーザーのパーソナルカラーなどを診断して、似合う洋服や化粧品を提案してくれるサイトや、肌の状態を自宅で計測すれば数百種類の組み合わせから自分の肌に合った美容液が届くサービス、数千種類のリップを調合して好みの色にカスタマイズできる商品も登場しました。店舗でマンツーマンの接客を受けなければできなかったサービス、経験を積んだベテラン販売員がいなければ不可能だったサービスが、インターネットとAIの進化で可能になったのです。

さらには医療面でもパーソナライズが進行中。医療に関するパーソナライズといえば遺伝子解析を利用したオーダーメイド医療が知られています。しかし、最新の研究では、一人ひとりに合った薬を3Dプリンターで作る技術が開発されています。大量生産される既存の薬ではなく、個々の患者に合わせて調合・調整された薬を「印刷」するという、この驚くようなサービスが20年以内には一般の人でも利用できるのではと予想されています。

機器同士の連携で叶う「家ごと」パーソナライズ―未来のスマートライフとは

パーソナライズ

パーソナライズの未来はどうなるでしょうか。現在、開発が進められているのはパーソナライズされた様々なデバイスをクラウド上で連携させる技術です。これが事業者を超えた「家ごとパーソナライズ」を実現させ、スマートライフもより充実すると期待されています。

「家ごとパーソナライズ」された生活では照明やエアコン、その他諸々の家電がユーザーの生活パターンに合わせて自動調節されます。起床時間や帰宅時間、家電を使った時間のデータはもちろんのこと、どのくらいの温度、どういう状態が快適なのか・不快なのかをデバイスが学習し、それに合わせて家全体が調整されていきます。スマートスピーカーにひと声かけるだけで、あるいは何も言わなくても、すべてのデバイスが快適にコントロールされ、自分にとって最適な状態での暮らしが実現するのです。さらには食べる物、見るもの、着る物も日々パーソナライズされ、住環境はより快適で満足できるものになっていくでしょう。

もちろん、パーソナライズに当たっては、事業者に個人データを日々提供しているわけですから、メーカー側には個人情報を守るという大きな責任があります。今はまだパーソナライズに抵抗を感じている人もたくさんいます。メーカー側にはプライバシー保護に対する姿勢を明確にすること、そして顧客の信頼を裏切らない形でデータを活用していくことが求められます。

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パーソナライズによるスマートライフで地球環境の保護にも貢献

様々なサービスや商品がパーソナライズ化されると、生活はより便利で快適なものになるでしょう。また、パーソナライズされたスマートライフは使う人にとって単に快適というだけでなく、最適化によって様々な無駄が省かれ、環境に優しい機器の利用にもつながります。パーソナライズは人に環境にも優しい暮らしを実現させるのです。


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【執筆】ユピスタ編集部
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