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6Gとは 5Gから進化した新しい通信規格でDXもIoTも超スマートな社会へ

2024.7.29

より速い表示速度を目指した4G、同時接続や低遅延がプラスされた5Gと、モバイル通信は進化してきました。そして今、社会実装が見えてきたのがBeyond 5G、「6G」です。機器や物流をはじめ、暮らしの中の様々なものにIoTセンサーが搭載され、超スマート化が進む中で必須ともいえる高速通信回線。5Gから6Gへと進化する高速通信が支える暮らしとその様子を解説します。

DXやIoT推進に不可欠 次世代の通信規格6Gとは。社会実装はいつ頃?

6G DX IoT

2020年に5Gが商用化されてから約4年が経ち、今では多くの通信会社が5Gやその対応デバイス、アプリケーションソフトを提供しています。総務省によると、2022年度末で全国の5G人口カバー率は96%を突破しており、当初の目標が1年前倒しで達成されています。こうした中、「Beyond 5G」とも呼ばれる6Gの導入がいよいよ現実味を帯びてきました。

6Gは言うまでもなく、5Gに続く次世代の通信規格です。6Gが注目されている背景には、コロナ禍を経てテレワークやオンライン通話、ウェビナー(ウェブを介したセミナー)などが以前よりいっそう活用されるようになったことが挙げられます。こうした環境には遅延の少ない高速通信が欠かせません。さらに今後はIoTの普及などで同時(超)多接続が当たり前になるにつれ、より安定した接続環境を提供してくれる6Gが必要になると考えられています。

6G DX IoT

インターネットトラヒックの推移(固定系・移動系、ダウンロードトラヒック)
引用:「情報通信白書 令和5年度版」(総務省)

もっとも、5Gが利用できるようになったと言っても、今のところそのメリットを実感している人はそれほど多くないのが実情です。5Gは「高速・大容量通信」「低遅延」「同時多接続」という特徴を持つ一方で課題も多く、通信会社の中には「今」を5Gの導入期と考えている企業もあります。6Gの商用化は2030年頃と見込まれていますが、そのポテンシャルを本格的に実感できるのは、やはり2030年代の中頃だと予想されています。

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6Gなら宇宙も海上もカバー!超カバレッジ拡張や超多接続も実現させる技術

6G DX IoT

6Gの持つ特徴のひとつが超高速通信です。6Gのデータ伝送スピードは100Gbps以上とされています。現在の5Gの通信速度は最大10〜20Gbpsですから、6Gはその5〜10倍ということになります。5Gで1分かかっていたダウンロードが、6Gなら5秒ほどで終わるという計算になるわけで、大容量の映画やゲームでもあっという間にダウンロードできますね。

また、6Gならではの特徴ともいえるのが「超カバレッジ拡張」と呼ばれる通信エリアの拡張です。カバレッジ(coverage)というのは、対象範囲のうちどれぐらいをカバーしているか表すもので網羅率とも呼ばれます。6Gは陸上カバー率が100%ということだけでなく、高度1万m、200海里、さらには宇宙にまで通信範囲を広げることを目指しています。

これは静止衛星やHAPS(ハップス=成層圏プラットホーム)と呼ばれる「空飛ぶ基地局」によって実現するとされていますが、ドローンや空飛ぶクルマが実用化された社会にとって、この超カバレッジ拡張は必要不可欠な技術となるでしょう。

「超多接続」も6Gの大きな特徴です。6Gでは5Gの10倍に相当する1平方kmあたり1000万デバイスの接続が可能となり、しかも消費電力量は現在の100分の1に抑えられるのだとか。これを可能にするのが「光電融合(こうでんゆうごう)技術」です。これは現在、電気で行われている処理をできるだけ光に置き換える技術で、普及によって大幅な電力カットが可能になると期待されています。

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6G普及で自動運転にもVRにも恩恵が―― 物流も医療ももっと便利で快適に

6G DX IoT

6Gが社会実装されると私たちの生活はどのように変化するでしょうか。店舗の無人化が進み、倉庫や物流施設のロボットは完全自動運転で働くようになり、衛星や海上ルートを使った物流システムが活用できるようになります。自動車の自動運転も実現すれば、よりスピーディに、より安全に人やモノを運べるようになります。

VR技術も今より多くの分野で活用されるようになるでしょう。6Gが持つ低遅延という特性により、ネットのタイムラグがなくなるため、遠隔医療、遠隔教育などは身近なものになります。農業や建設の現場では、ロボットを遠隔操作することによって、安全に作業が行えるようになりますし、医療の分野でも遠隔操作で手術が行えるようになれば、どの地域、どの国に住んでいても最先端の治療を受けることが可能となります。

様々な活動が時間や場所の制約から解放されてDXが進み、自宅にいてもバーチャルオフィスで働くことが一般的になったり、自分の部屋にいながらバーチャル旅行を楽しんだりなど、本物そっくりの没入感が味わえるエンターテイメントも増えてくるでしょう。

さらに、自動ワイヤレス充電やウェアラブル端末の普及とともに、インターネットは空気と同じような存在になり、「充電する」「ネットに繋ぐ」という意識さえ必要のない社会が実現するかもしれません。

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実現間近? 6GがかなえるSociety 5.0の暮らし

6Gの導入によって私たちの生活は大きく変わることが予想されます。今以上に便利で快適に、しかも省電力・省エネの通信が可能になり、環境に優しいインターネット利用が当たり前になるでしょう。そして、それが実現する日も遠い未来ではありません。

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【執筆】ユピスタ編集部
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