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5Gをより便利に デュアルSIM、eSIM、DSDAって何?

2024.6.10

私たちの生活と切っても切れないものとなったスマートフォン(スマホ)。1台のスマホに2枚のSIMカードを入れるデュアルSIM機能を利用すれば、普及しつつある5Gも、より便利に、より快適に、よりお得に使うことが可能です。2枚のSIMカードを持っているとどんなメリットがあるのでしょうか。コスパは?組み合わせの方法は?eSIMって何?利用する場合の注意点とあわせて、デュアルSIM機能の基本を押さえます。

SIMカード×eSIMでデュアルSIM?「1台なのに2台持ち」が可能に

デュアルsim

SIMカードとは、Subscriber Identity Module Cardの略で、契約者情報が記録されているカードのこと。この情報と電話番号を結び付けることで、LTE(4G)や5Gの通信ができるようになります。デュアルSIMというのは、そんなSIMカードを1台のスマホに2枚挿入し、2つの電話番号を取得・利用できる機能です。デュアル(dual)はラテン語のduo(デュオ)に由来する言葉で、二重の、二通りのという意味です。

新たなモデルが続々と登場しているスマホは、多くの機種がデュアルSIM機能に対応しており、スロットにSIMカードを2枚差し込める機種なら、SIMカード2枚という組み合わせが利用可能。また、物理的なSIMカードを使うのではなく、端末内のチップをSIMカードの代わりとし、これに情報を書き込むことで通信ができるようになる「eSIM」の対応端末も増えてきています。このeSIMに対応しているスマホなら、SIMカードとeSIMを1枚ずつ、またはeSIM2枚という組み合わせでもデュアルSIM機能が使えます。

初期のデュアルSIM機能は1枚のSIMを利用している時、もう1枚のSIMが圏外になってしまい、そのたびに手動で切り替えなければ電話やメール、ネットの利用ができませんでした。これをDSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)と言います。

しかし、現在はほとんどがDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)や、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)方式になっており、切り替えの操作をせずに2枚のSIMカードが利用できます。さらに高性能なDSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)は、2つの回線を同時に利用することができるため、片方の回線で電話をかけながら他の回線で動画を見る、といったことも可能です。

スマホ代を節約しながら5Gも通話も デュアルSIMはコスト面以外もメリットあり!

デュアルsim

デュアルSIM機能には様々なメリットがあります。まず、1台のスマホで2枚のSIMカードを有効にできれば、2台持ちと同じことができるようになります。例えば、仕事用の番号とプライベート用の番号を使い分けたり、国内用と海外用のSIMカードを使い分けたりすることもできるのです。海外で現地用のSIMカードを利用する場合、国内でアクティベート(回線の有効可)まで済ませておけるので、到着後はすぐに利用することができるのも便利な点です。

スマホを2台持てば料金も2倍になりそうなものですが、SIMカードを上手に組み合わせることができれば、逆にスマホ代を節約することも可能となります。音声やデータ通信に特化したプランは価格が抑えられていることが多いので、1枚のSIMカードで通話に特化したお得なプランを、もう1枚でデータ通信に特化したプランを契約すれば、料金を気にすることなく4Gや5Gの高速通信による通話も利用できます。

電話番号が2つあれば、メッセンジャーアプリやSNSなどの電話番号との紐づけが必要なアカウントを2つ持てるのもメリットです。もちろん、2台分のスマホを充電する手間も省けます。

加えて、通信障害が起こった時にも、事業者の異なるSIMカードを持っていればスマホを使い続けることができます。そうそう起きることではないにしても、予備回線としてのSIMカードをもう1枚用意しておけば、いざという時にも慌てなくて済みます。

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デュアルSIMのデメリット 事業者の選び方と注意点

デュアルSIM機能には多くのメリットがありますが、利用するに当たってはいくつか注意すべき点があります。まず、2枚のSIMカードを利用するということは、その2枚が常に電波を探している状態なわけですから、通常よりバッテリーの消費が早くなります。サブとして利用するSIMカードは使わない時オフにしておくか、モバイルバッテリーを持ち歩くのが良いかもしれません。

また、スマホの機種によっては2枚のSIMカードを入れるとデータ保存用のmicroSDカードが入らなくなります。microSDカードにデータを保存したい場合は、eSIMやクラウドを利用するなど、別の方法をチェックしてみましょう。

同じ事業者同士のSIMや、同じ事業者の回線網を使っているSIMの組み合わせでは、通信障害の際にはどちらも使えなくなる可能性があります。予備回線としてデュアルSIMをキープするなら、同じ回線網の組み合わせは避けるのが無難です。特に、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:格安SIMを提供する通信会社)と、大手キャリアを組み合わせたグループ構成は確認しておきたいところです。また、事業者によっては5Gに対応していないeSIMもあるので契約前に確認しておくことも必要です。

さらに、2つの番号を1台で使い分けていると、仕事用の番号から取引先にかけたつもりが、うっかりプライベートの番号でかけてしまった…などのミスも起こりがち。回線の表示名称を変更できるなら、識別しやすいように変えておくと間違いを防げます。

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1台のスマホで2台持ちと同等の環境が実現できるデュアルSIMは、ビジネス利用においてはとりわけ便利でスマートな機能といえます。大手キャリアでもMVNOと上手に組み合わせれば、コストを抑えながら通話やデータ通信をたっぷり利用できます。メリットの多いデュアルSIM、手持ちのスマホで利用できるSIMカードを確認してみてはいかがでしょうか。

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※microSDロゴはSD-3C,LLCの商標です。


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【執筆】ユピスタ編集部
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