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対話型人工知能とは?音声アシスタントとは違う、対話型AIの可能性を読み解く

2023.8.7

いま、世界中から注目を集めている対話型AI。それはまるで人間同士のようなスムーズな会話を楽しむことができる人工知能です。対話型AIは、自動で質問に回答するこれまでのチャットボットとどこが違うのでしょうか。機械が人間の言葉を理解するシステムとは?さらにその具体的な応用例と、対話型AIの限界についても考えます。

幅広い分野で使われる会話型AI。音声アシスタントとは違う、対話型AIとは

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まるで友人のように、私たちの問いに対して的確に答えてくれる音声アシスタントやスマートスピーカー。一度使いだすと便利で手放せなくなりますよね。こうした機器の多くには、対話型AIと呼ばれる人工知能が活用されています。

対話型AIは、音声アシスタントのように音声で対応する会話型だけではありません。文章で答えてくれるテキスト型や、両方を併せ持つタイプなどが、用途に合わせた幅広い分野で使われています。例えば検索エンジンだったり、翻訳や文章作成だったり、対話システムだったり。そんな対話型AIの活用は多くのメリットをもたらします。会話型をカスタマーサポートに利用すれば、24時間365日にわたる対応が可能なので、顧客満足度の向上につながります。翻訳や文章作成をよりスムーズに短時間で行いたい時は、テキスト型がぴったりでしょう。

対話型AIが登場するまで、会話ができる機械やロボットと言えば、よくある質問と回答をあらかじめ人間が作成しておき、それに基づいて答える「シナリオ型」や「辞書型」と言われるチャットボットが主流でした。これらは当然ながら設定された範囲内かつルール通りにしか答えられません。一方、対話型のAIは、人間の意図や言葉のニュアンスを理解して、より柔軟に答えることが可能です。では、対話型AIはどのようにして会話を成立させているのでしょうか。

自然言語処理と人工知能を利用してスムーズな会話へ

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対話型AIには「自然言語処理(NLP)」という技術が使われています。自然言語とは、人間の世界で自然に発展した、私たちがふだん話している言語を指します。一方、コンピュータ言語やエスペラント語(国際補助語)など、人為的に作られた言語は人工言語と呼ばれます。

機械にとって、自然言語を理解するのは簡単なことではありません。なぜなら自然言語はあいまいな部分が多いからです。同音異義語や比喩、皮肉があり、新語が加わり、人によってスピードやイントネーションが異なり、時には間違った文法さえ使われます。機械翻訳が「よりどりみどり」を「Yoridori green」、「激ウマ」を「super horse」と誤訳して話題になったように、機械が自然言語を正しく理解することは、実を言うととても難しい作業なのです。

そこで、対話型AIは大量のデータを機械学習することで人間の会話を学び、受け取った言葉をバラバラにして品詞や構文、意味を解析し、比喩やイディオムを特定し、さらには感情も分析します。こうした作業を実行することで話し手の意図やニュアンスを読み取り、あらかじめ用意されていない質問にも答えることを可能にしているのです。

すでに対話型AIは「雑談」にさえ高確率で対応できるようになりつつあります。「曇ってるね」と何気なく話しかけると、「今日の天気を調べましょうか」とスムーズに返せる対話型AIも研究されているとか。「Yoridori green」で笑えるのも今のうちだけかもしれませんね。

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蓄積されたデータで学習する人工知能に足りない倫理観とバイアスの排除

対話型AIはすでに様々な業界で利用されています。サービス受付システムとしてAI電話サービスを導入した企業では、応対件数の75%を人の介入なしで完結できるようになり、1件当たりの対応時間も70%短縮することができました。大学では、事務手続きの効率化や、学生の困りごとに対するサポートに対話型AIが導入されつつあります。また、認知症やパーキンソン病特有の話し方を学習し、認知症の可能性を検知したり、パーキンソン病の予測に役立てたりといった研究も行われています。

しかしながら対話型AIには、AIならではの限界もあります。対話型AIの回答は過去のデータに基づいているので、批判的思考(クリティカルシンキング)ができず、新しいアイデアを生み出すことができません。また、学習したところまでしか答えられないので直近の出来事に弱かったり、受け取った言葉の意味を正しく理解できず的外れな回答が返ってきたりすることもあります。

さらには一般常識や倫理的・道徳的配慮に欠け、学習データの影響でバイアスのかかった回答をすることも。犯罪の方法を尋ねるなどの危険な使われ方に備え、注意深くトレーニングが行われてはいますが、対話型AIをどう使うかは結局のところ私たち人間次第。AIが出した答えを都度人間が確認する作業は当分必要になるでしょう。

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クリティカルシンキングのできる人間が進化させる、対話型AIによって拓かれる未来

ある調査では、対話型AIの市場は17%近い規模で成長していくとされています。この先、対話型AIは私たちの生活に欠かせないものになることは間違いありません。対話型AIの倫理観やバイアスの問題に関する対応も研究が進んでいます。クリティカルシンキングのできる人間がそのデメリットを補うことで、AIは私たちと一緒に未来をも切り拓いていくことでしょう。

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【執筆】ユピスタ編集部
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