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安全で快適な運転を支えるADAS。自動運転とはどう違う?

2024.4.1

ドライバーを支え、安全な運転を支えるADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)。車の死角をモニタリングすることで、障害物の接近に対して警告を発したり、ドライバーの様子を把握して車線からはみ出さないように助けたりなど、様々な機能が搭載されています。そんなADASの機能をおさらいしながら、自動運転との違いについても解説します。

ADAS(先進運転支援システム)とは?AD(自動運転)との違い

ADAS(先進運転支援システム)はドライバーが車を安全に運転し、目的地まで無事に到着できるよう支援する技術です。通常、私たちは車を運転する時に周囲の車や歩行者、交通標識やスピードメーターなどを目や耳で「認知」します。そしてそれらのデータに基づいて、どう操作したら良いかを頭で「判断」し、最後に手足を使ってハンドルを切るなり、アクセルやブレーキを踏むなり、状況に応じた「操作」を行います。

ADASというのは、この「認知「判断」「操作」という3つの運転タスクのいずれか、あるいは幾つかを自動的に実行してくれる機能です。何を・どこまで支援するかは機能によって異なりますが、もし3つのタスクすべてが100%サポートされれば、それはAD(Autonomous Driving:自動運転)ということになります。

ADASに搭載されている機能は自動運転とは異なり、全面的なサポートではないわけですから、万一事故を起こした時に責任を負うのは実際に運転しているドライバーです。一方、完全な自動運転の場合、ドライバーは運転していないため、事故の責任は自動車にあるとみなされます。

なお、国土交通省ではシステムが運転タスクに関わっている度合いによって自動運転を5つのレベルに分けています。私たちが考える「自動運転」はレベル3以上で、これは「システムがすべての運転タスクを実施する」ことが条件となっています。

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ADAS

ADASは、人の目や耳の代わりに周囲の状況を認知するセンサー、センサーで取得したデータから適切な「判断」を行うコンピューター関連機器(ECU:Electronic Control Unit)、アクセルやブレーキの「操作」を行う駆動部分に関わる装置を備えていて、それらが連動して働く仕組みとなっています。

例えばACC(Adaptive Cruise Control:車間距離制御装置)は、前を走る他の車を認知して車間距離を一定に保つ機能で、すでにハイグレードな車の多くに搭載されています。機能としてはアクセルとブレーキを自動で操作してくれる便利なもので、低速走行となりがちな渋滞時にも対応します。

また、カメラが車線を検知して常に車線の中央付近を車が走るように制御するLKAS(Lane Keeping Assist System:車線維持支援システム)や、前を走っている車との距離が近づきすぎると警告音を発し、自動的にブレーキを作動させるAEBS(Advanced Emergency Braking System:衝突被害軽減ブレーキ)も浸透が進んでいます。AEBSは2021年11月から国内で販売される新型車への搭載が義務付けられており、2025年からは継続生産車にも義務付けられることが予定されています。

その他、赤外線カメラで夜も歩行者が検知できるNV/PD(Night Vision/Pedestrian Detection:ナイトビジョン)、TSR(Traffic Sign Recognition)と呼ばれる交通標識認識システムやドライバーを撮影して居眠りなどを監視するDM(Driver Monitoring)、さらにはモニタリング機能を持ったBSM(Blind Spot Monitor)による死角の監視、駐車時に切り返しのタイミングを教えてくれるだけでなく、操作も行ってくれるAPAS(Advanced Parking)など、多くのADASが開発されています。また、ドライバーに情報を伝えるインターフェースも、より正確に、よりスピーディに、より分かりやすく改良されています。

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ADAS

ADASの普及が進むことにより、交通事故は減少するでしょう。ある調査によると、AEBS(Advanced Emergency Braking System:衝突被害軽減ブレーキ)を搭載した車は、搭載していない車に比べると、追突死傷事故の件数が半減するというデータもあります。

交通事故の原因はほとんどが前方不注意、居眠り、判断ミス、操作ミスなどのヒューマンエラーです。疲れたり、うっかりミスをしたりしないシステムがドライバーをサポートすることで、運転がより安全なものになることは間違いありません。

さらに、他の車両や信号機情報、道路情報などを取得し、それらのデータと協調すればより安全な自動運転が実現するでしょう。車同士、車とインフラ、車と歩行者、「V2X(Vehicle to Everything)」と呼ばれる車とネットワークの通信は、自動運転に欠かせない技術として注目されています。もちろん、そのためにはADASや自動運転システムに対応する車のさらなる増加、そしてインターネットを含むインフラの整備が欠かせません。

ADASや自動運転を支える技術がもたらしたビッグデータは、より快適で便利な社会の構築にも役立つことが期待されています。これによって交通事故が減り、人と車の安全性が高まるだけでなく、渋滞が緩和され、ドライバーは時間をもっと有効活用できるようになります。さらには温室効果ガスの排出量も削減され、地球環境に優しい社会の実現へと繋がっていくのです。

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【執筆】ユピスタ編集部
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