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国際標準規格NFCとは FeliCaとの違いは?NFCタグや非接触カードでスマートに

2024.9.25

コロナ禍を経て多くの場面で「非接触」対応が増える中、スマホやクレカ、電子マネーによる「非接触決済(タッチ決済)」が普及しています。そして、このような決済方法で利用されているのがNFCです。これはどんな技術なのでしょうか。同じ非接触方式のおサイフケータイや交通系ICカードなど、様々なものへの組み込みに対応したFeliCaとの違いは?NFCの活用方法やメリット、使用に当たっての注意点などを解説します。

非接触決済を可能にするNFCとは。FeliCaとはどう違う?

NFC(Near Field Communication)は、日本語で「近距離無線通信」を意味する技術です。NFC搭載のICチップが組み込まれた機器同士を10cm以内に近づけると、ワイヤレス通信が可能となります。ワイヤレス通信にはいくつか種類がありますが、NFCは「近距離」という名前の通り、赤外線(約1m)やBluetooth(約10m)、Wi-Fi(約100m)に比べると通信できる距離は長くありません。しかし、双方向の通信が可能なため、身近な場面での活用が広まっています。

NFCには3つの規格があります。オランダの企業によって開発され、安価で利用できるのがType-A。このタイプは自販機でたばこを購入する時の成人識別用カードなどに利用されています。また、アメリカの企業が開発したType-Bはセキュリティに優れているという特徴があり、パスポートや免許証、マイナンバーカードなどの身分証明書に搭載されています。

3つ目のType-FがFelicaとして知られているもので、日本の企業が開発したものです。特徴は処理速度がスピーディなことで、データの読み書きは約0.1秒。しかもセキュリティの高さを誇り、日本では交通系ICカードなど、様々な電子決済に活用されています。さらには学生証や社員証、もちろん各種スマホにも、Felicaは搭載されています。

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モバイル決済だけじゃない!NFCの便利な機能はNFCタグやスマートホームで

NFC

NFCの技術を使うとどんなことができるのでしょうか。NFCは3つの機能を持っています。
1つ目の「カードエミュレーション機能」は、NFCを搭載した機器自体が非接触ICカードになる(非接触ICカードとして使える)機能です。これにより、例えばスマホを専用端末にかざす、あるいはタッチするだけで、交通系ICカードやクレジットカード、電子マネーによる決済が可能です。

NFCが持つ機能の2つ目は「リーダー・ライター機能」です。これはICカードや専用タグの読み書きができる機能で、NFC技術が搭載された小型シールやカード、タグに埋め込まれた情報が、スマホをかざすだけで読み込まれ、特定の動作を実行させるというものです。名刺に登録された情報を読み取る、NFCタグをスマートリモコンと連携させてスマホで照明や鍵などの家電を起動させる、商品に添付して登録されたwebページをユーザーに閲覧してもらう、さらには商品管理や紛失物防止まで、様々なことに活用できます。

3つ目は「端末間通信(Peer to Peer)機能」です。これはサーバーで端末をつなぐネットワーク形式の通信とは異なり、NFC対応の機器同士を近づけることでパスワードなしのペアリングが可能になり、URLやメールアドレスなどの送受信を行う機能です。やり取りは基本的に数キロバイトの小さなデータとなりますが、NFC対応のパソコンやテレビと連携することで動画などの転送も行えますし、NFC対応の充電器ならスマホを近づけるだけで充電することも可能です。

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クレカも電子マネーもスマホ1つでOK!NFCの活用方法と注意点

NFC

NFCには多くのメリットがあります。普段の活用で最も便利で使用頻度が高いのは、やはりスマホをかざすだけで使える非接触決済(タッチ決済)でしょう。iPhoneならApple Payアプリ、AndroidならGoogleウォレットアプリ(あるいはおサイフケータイアプリ)で各種カードの登録を行います。電子マネー、クレジットカード、ポイントカードなど、複数のカードを登録してスマホでまとめて管理できるので、お金の流れも一元化されて分かりやすくなります。

お財布から現金やカードを探すことが大幅に減り、結果としてスピーディでスマートな決済が行えること、サインや暗証番号は不要でもセキュリティの高さが保証されていることは、スマホだけでなくNFCの強みを高めたスマートリングなどのガジェットが持つ大きなメリットです。加えて無線通信なのでネット環境がなくても利用でき、現金や端末に触らないので衛生的でもあります。さらには、コンサートや搭乗券などのチケットにNFC技術を内蔵させれば、混乱の少ないよりスムーズな入場が行えるようになります。

もちろん決済方法が増えることは、店舗側にとっても顧客拡大に繋がり、レジの混雑緩和に役立ちます。現金を取り扱う場面が少なくなれば、スタッフによるレジ締めやお釣りの用意など、人の手で行われている作業だけでなく、そこに費やされる時間の削減にもつながります。

ただ、NFCの注意点として周囲に金属があると正常に作動しないことが挙げられます。反応しない時はお財布やスマホケースの素材、ドアやデスクの材質などをチェックしましょう。また、スマホを機種変更する時、基本的にデータの自動的な引継ぎは行われません。旧デバイスの機能が使えるうちにデータを預けるなど、サービス会社によって対応が異なるので確認しておきましょう。

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タッチ決済から勤怠管理まで―IoT時代はNFCでもっと便利に

IoT社会(インターネットでモノが通信する社会)では、ありとあらゆる機器がインターネットで繋がるようになります。身の回りにある多くのデバイスと簡単に繋がることのできるNFCは、私たちの生活における利便性の向上に必要不可欠な技術となっていくでしょう。決済、勤怠管理、身分証明、紛失防止…処理速度の速さや高度なセキュリティにより、NFCの活用シーンは今後さらに拡大していくことが期待されています。

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※FeliCaはソニー株式会社の登録商標です。
※NマークはNFC Forum, Inc.の米国およびその他の国における商標あるいは登録商標です。
※「おサイフケータイ」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
※iPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。iPhoneの商標はアイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。 TM and © Apple Inc. All rights reserved.
※Android、Android ロゴ、Google、Google ロゴは、Google LLC の商標です。
※「Wi-Fi」は「Wi-Fi Alliance」の商標又は登録商標です
※Bluetooth®ワードマークおよびロゴは登録商標であり、Bluetooth SIG, Inc. が所有権を有します。


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【執筆】ユピスタ編集部
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