最近暗いニュースが多い中、「はやぶさ2」の帰還は宇宙に思いを馳せる日本人にとって世界に誇れる成果と言えるでしょう。
その”はやぶさ2プロジェクトを成功させたJAXAのお膝元である肝付町で、鹿児島大学と第一工業大学を中心とする「鹿児島ハイブリッドロケット研究会(Team KROX)」が小型ハイブリットロケットの打ち上げに成功しました。
このニュースが届いたのは、去る2020年12月25日のこと。そのロケットには当社の名称である「ユピテル」という文字が刻まれていました。
日本で唯一、ロケット基地を有している鹿児島から、宇宙開発の火を消してはならない。そんな思いが実現させた「鹿児島ロケット2号機 ユピテル号」の歩みをご紹介します。
「はやぶさ2」帰還!JAXAもある肝付町で鹿児島大学がロケット打ち上げ成功!
2021.1.26
地域の思いも乗せた「鹿児島ロケット2号機 ユピテル号」の打ち上げ成功
全長2.5メートル、重さ20キロの「鹿児島ロケット2号機 ユピテル号」が、2020年12月25日14時29分に鹿児島県・肝付町の辺塚海岸で打ち上げられました。ロケットは目標高度450mを超えた後、搭載物8個を回収するなど、無事打ち上げに大成功しました。実際には高度も500m以上に達したと思われ、予想以上の成果に地元は歓喜に沸きました。
「鹿児島ロケット」は、ロケットの設計をはじめとして、機体の製造から打ち上げまでの全工程を地元・鹿児島で行っていることが大きな特徴です。
プロジェクトを主導しているのは、鹿児島大学と第一工業大学を中心とする「鹿児島ハイブリッドロケット研究会(Team KROX)」。会員数30名(内学生会員13名、企業7社/2020年11月現在)という小規模な集まりながらも、「プロジェクトを通してハイブリッドロケットの技術発展や地元企業の活性化、地域復興などに貢献したい」という大きなエネルギーを有する団体といえます。
「鹿児島ロケット」の初号機は2019年9月13日に打ち上げられましたが、尾翼のサイズや点火時の酸素供給不足によるエンジンの推進力に問題があり、目標高度に至らず失速してしまうという結果に終わりました。
そこでTeam KROXは、機体の外側からチューブで酸素を直接送り込む、尾翼のサイズを小さくするといった改良を重ね、晴れて2号機の打ち上げに至りました。初号機と比較しても今回の2号機は、エンジンから力強い火炎が噴出し高速で飛翔したことから、風の影響をあまり受けずに大成功に繋がったようです。
「鹿児島ロケット」は、ロケットの設計をはじめとして、機体の製造から打ち上げまでの全工程を地元・鹿児島で行っていることが大きな特徴です。
プロジェクトを主導しているのは、鹿児島大学と第一工業大学を中心とする「鹿児島ハイブリッドロケット研究会(Team KROX)」。会員数30名(内学生会員13名、企業7社/2020年11月現在)という小規模な集まりながらも、「プロジェクトを通してハイブリッドロケットの技術発展や地元企業の活性化、地域復興などに貢献したい」という大きなエネルギーを有する団体といえます。
「鹿児島ロケット」の初号機は2019年9月13日に打ち上げられましたが、尾翼のサイズや点火時の酸素供給不足によるエンジンの推進力に問題があり、目標高度に至らず失速してしまうという結果に終わりました。
そこでTeam KROXは、機体の外側からチューブで酸素を直接送り込む、尾翼のサイズを小さくするといった改良を重ね、晴れて2号機の打ち上げに至りました。初号機と比較しても今回の2号機は、エンジンから力強い火炎が噴出し高速で飛翔したことから、風の影響をあまり受けずに大成功に繋がったようです。
「鹿児島から宇宙開発の火を消さない」の思いを胸にプロジェクトを進行
Team KROXを中心とする小型ハイブリットロケットの開発がスタートしたのは、2016年。「鹿児島ロケット」の打ち上げ成功までにはおよそ4年の歳月を費やしました。開発のエネルギーとなったのは、『日本で唯一ロケット基地のある鹿児島から宇宙開発の火を消してはならない』という思いです。
しかし、打ち上げ成功に至るまでには様々な障害があり、その最たる課題といえるのが、開発資金の不足でした。2016年に開発がスタートした初号機には、打ち上げまでの4年間で年間約400万円、計1600万円もの研究費が投入されています。
Team KROXは開発資金の不足を打開するため、2018年5月29日から8月10日の間、クラウドファンディングによる資金の調達を試みましたが、残念ながら不成立に終わりました。開発資金が底をつきかけ、新たに寄付を募る中、地元・鹿児島に関連会社を持つユピテルが寄付を行い、その縁で2号機は「ユピテル号」と名付けられました。
資金面の課題をクリアした後も、新型コロナウイルスの影響によってスケジュールが大幅に遅れるなどしましたが、無事「鹿児島ロケット2号機 ユピテル号」の打ち上げ成功となったのです。
今後はより改良を加えた3号機が開発される予定です。Team KROXは将来的に超小型人工衛星の打ち上げも視野に入れるなど、宇宙開発への強い意欲も見せています。
しかし、打ち上げ成功に至るまでには様々な障害があり、その最たる課題といえるのが、開発資金の不足でした。2016年に開発がスタートした初号機には、打ち上げまでの4年間で年間約400万円、計1600万円もの研究費が投入されています。
Team KROXは開発資金の不足を打開するため、2018年5月29日から8月10日の間、クラウドファンディングによる資金の調達を試みましたが、残念ながら不成立に終わりました。開発資金が底をつきかけ、新たに寄付を募る中、地元・鹿児島に関連会社を持つユピテルが寄付を行い、その縁で2号機は「ユピテル号」と名付けられました。
資金面の課題をクリアした後も、新型コロナウイルスの影響によってスケジュールが大幅に遅れるなどしましたが、無事「鹿児島ロケット2号機 ユピテル号」の打ち上げ成功となったのです。
今後はより改良を加えた3号機が開発される予定です。Team KROXは将来的に超小型人工衛星の打ち上げも視野に入れるなど、宇宙開発への強い意欲も見せています。
地域とのつながりが成功への原動力に
Team KROXでは地元企業の活性化を図るなど、地域振興を目的の一つとして「鹿児島ロケット」の開発に取り組んでいます。
「鹿児島ロケット2号機 ユピテル号」の8個の搭載物は県内の企業5社が製作しました。初号機の製作においてもホームセンターで材料を調達し、加工を鹿児島県内の企業に依頼するなど、できる限り鹿児島県で内製することを重視しています。
また、現在はJAXA内之浦宇宙空間観測所で打ち上げが実施できないため場所を探していたところ、民間の力を用いた宇宙関連事業の誘致を目指す肝付町の協力を得ることができました。打ち上げ実験に際しては、海岸付近の住民の方の一時避難や交通規制、立ち入り規制などが必要でした。
そこで、肝付町は打ち上げ環境の整備をはじめ、地域住民や関係団体への周知・説明といった役割を担いました。また、機体の回収には内之浦漁業協同組合が協力しています。
こうした地元・鹿児島の協力がなければ、2号機の打ち上げ成功には至らなかったといえるでしょう。
「鹿児島ロケット2号機 ユピテル号」の8個の搭載物は県内の企業5社が製作しました。初号機の製作においてもホームセンターで材料を調達し、加工を鹿児島県内の企業に依頼するなど、できる限り鹿児島県で内製することを重視しています。
また、現在はJAXA内之浦宇宙空間観測所で打ち上げが実施できないため場所を探していたところ、民間の力を用いた宇宙関連事業の誘致を目指す肝付町の協力を得ることができました。打ち上げ実験に際しては、海岸付近の住民の方の一時避難や交通規制、立ち入り規制などが必要でした。
そこで、肝付町は打ち上げ環境の整備をはじめ、地域住民や関係団体への周知・説明といった役割を担いました。また、機体の回収には内之浦漁業協同組合が協力しています。
こうした地元・鹿児島の協力がなければ、2号機の打ち上げ成功には至らなかったといえるでしょう。
まとめ
「鹿児島ロケット2号機 ユピテル号」の発射実験は大成功に終わりました。早くも3号機の開発に意欲を燃やしています。
将来的には機体の設計、製造、打ち上げまでの全工程を地元・鹿児島で行ったロケットが、宇宙を目指す。─まるで映画のような物語ですが、Team KROXは多くの人々や企業の支援を得て、実現に向けて邁進しています。
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