Wi-FiとBluetoothの技術を使い、Android同士やiPhone同士のデバイス間で様々なファイルを共有するクイックシェアやエアドロップ。相手の連絡先を知らなくても数回タップするだけでファイルが転送できてとても便利な機能です。ただ、これらの機能は便利な反面、使い方次第で思わぬ危険も。ファイルのシェアを安全に行うために知っておきたいメリットと注意点を解説します。
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Wi-FiとBluetoothの技術を使い、Android同士やiPhone同士のデバイス間で様々なファイルを共有するクイックシェアやエアドロップ。相手の連絡先を知らなくても数回タップするだけでファイルが転送できてとても便利な機能です。ただ、これらの機能は便利な反面、使い方次第で思わぬ危険も。ファイルのシェアを安全に行うために知っておきたいメリットと注意点を解説します。
みんなで撮った写真をその場で全員に送りたい。面白いサイトやアプリを家族や友達に教えてあげたい。こんな時手軽なのが、Android同士なら「クイックシェア(Quick Share)」、iPhone同士なら「エアドロップ(AirDrop)」です。
これらはインターネット回線を使わず、端末同士でファイルをやり取りする「ピア・ツー・ピア(Peer to Peer、P2P)」という方式を利用しています。これはBluetoothで近くの端末を検出し、BluetoothかWi-Fiの電波を使って情報を転送するので、サーバーに接続することなく、高速でファイルを送ることができるというものです。
転送相手はスマホだけでなく、パソコン版のアプリをダウンロードしておけばパソコンもOK。連絡先やサイトのURL、アプリなどに始まり、位置情報、画像や動画など、コンテンツに共有ボタンがあるものならほとんどのファイルを送ることができます。
なお、クイックシェアは、これまで「ニアバイシェア(Nearby Share)」と呼ばれていた機能と内容的にはほぼ同じです。クイックシェアとニアバイシェアは2024年に統合されましたが、機種によっては新しくクイックシェアアプリをダウンロードする必要があるかもしれません。
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クイックシェアやエアドロップの大きなメリットは、相手のメールアドレスやSNSのIDを知らなくてもファイルをシェアできる点です。相手がBluetoothの範囲内(5〜9m以内)にいればスマホを近づけるだけで通信できるので、仕事先や旅先、イベントなどで会った人と気軽にファイルや記念写真をやり取りすることができます。
この機能は大抵のスマホに標準装備されていて使い方も簡単。Wi-FiとBluetoothをオンにしておき、表示される共有相手を選ぶだけ。あとは送られた側が受け入れれば共有完了です。SIMカードの入っていない古いスマホからでも、ファイルを抜き出したり転送したりすることができます。
また、クイックシェアもエアドロップもオンライン通信ではないため、送ったファイルがネット上に流出する心配もありません。
さらに、インターネット回線を使わないので、通信料(パケット代)もかかりません。送るのに時間がかかる動画などの大きなファイルも縮小不要・通信料ゼロなのはありがたいですよね。Bluetoothは使う電力もわずかなので、常時オンにしていてもバッテリーの消耗にほとんど影響しません。
ただ、転送中に相手がBluetoothの範囲内から外れてもインターネット経由で転送の継続が可能になったデバイスもあり、こうした場合は通信費が発生することがあるので注意が必要です。
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手軽に使えるクイックシェアやエアドロップですが、使用するのがちょっと怖いと感じる人もいるようです。実際、Bluetoothの範囲内にいれば誰とでもファイルのやり取りができるので、その利便性が逆に思わぬ危険を招くこともあります。
例えば、人の多い電車内などでクイックシェアやエアドロップを使って知らない人からファイルが送られてくる、時には卑猥な画像などが送りつけられてきて、とても嫌な思いをするということがあるかもしれません。これは「エアドロ痴漢」や「エアドロテロ」と呼ばれる行為で、送った側は「わいせつ電磁的記録頒布罪」などに問われる可能性があります。
さらに、近くにいるであろう「犯人」が周囲の反応を見てファイルを受け取った人を特定し、その後に嫌がらせやナンパ、勧誘をするといった被害も少なくありません。
こうした被害を避けるために、知らない人から送られてきたファイルは絶対に受け入れず、「辞退する」を選びましょう。そして、相手に表示されるデバイス名は本名を避けるのが安全です。また、公開設定を「全ユーザー対象(すべての人)」にするのではなく、「連絡先」などに限定しておくといいかもしれません。そもそも使用しない時は機能自体をオフにしておく、共有が終わったら切るようにすれば、思わぬデータ通信が発生するということも避けられます。
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クイックシェアやエアドロップはほとんどのスマホに標準装備されており、メールなどを使うよりも通信料を節約しつつ簡単にファイルを共有できます。ただし、見ず知らずの人に情報が漏洩する危険性があるのも事実です。このようなリスクがあることを理解して設定を見直し、安全なファイル共有を気軽に楽しみたいものですね。
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