ケーブルを必要としない無線LANはとても便利な仕組みですが、やっぱり安定した通信環境を得るには有線接続という人も多いもの。そんな有線接続に必要なものがLANケーブルです。ただ、LANケーブルは一見同じに見えても様々な種類があり、値段もピンキリ。どれを使うのがベストなのか悩みますよね。本記事ではLANケーブルの種類と、最適なLANケーブルの基本的な選び方を解説します。
こんなにあるLANケーブルの種類!PoEに形状…cat以外も気にすべき?
無線LAN全盛なのになぜ有線?安定した通信に不可欠のLANケーブルとは
LAN(Local Area Network)ケーブルは、パソコンなどの機器を自宅やオフィス内での限定的なネット回線に接続するケーブルです。コンピュータとルーター、ルーターとモデムやONU(光回線における終端装置)を接続する時に使用します。
LANケーブルはケーブルとコネクタで構成されており、デバイス側(メス)には凸型の穴(差込口)とLANポートがあります。ちなみにパソコンとプリンタやマウスなどの周辺機器をつなぐケーブルはUSBケーブル。LANケーブルとは形状も役割もまったく異なります。
無線LANは自由度が高く便利ですが、ルーターからの距離によってはネットが繋がりにくかったり、家電の電波に干渉を受けたりするデメリットもあります。その点、ケーブルを繋ぐ有線接続なら、動画を見る時やオンライン会議などのビジネスシーンで大量のデータ通信をする際にも、より安定した高速通信が望めます。またオンラインゲームでは、普通の人であっても0.03秒ほど、感覚の鋭い人なら0.016秒という超高速での判断と操作が勝敗を分けることから、やはり安定感のある有線接続が安心という人は多いでしょう。
有線接続はセキュリティの面でもメリットがあります。Wi-Fiの電波は家の外にもある程度飛ぶので、第三者に電波をキャッチされて、個人情報を読み取られる危険性もゼロではありません。もちろん有線接続でもセキュリティ面の注意は必要ですが、そのリスクはWi-Fiに比べると下がります。
引用:遠隔教育システム活用ガイドブック第3版(文部科学省)
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LANケーブルのカテゴリはどこを見れば分かる?イーサネット規格の基本
ほとんどのLANケーブルはEthernet(イーサネット)規格を採用しているので、違うメーカーの機器同士では接続できない、差込口が合わないなどということはありません。しかし、実際は通信速度や伝送帯域によってカテゴリが5、5e、6、6A、7、7A、8と分類されており、スペックを最大限まで活かすには自分が使用している(契約している)通信環境に応じたケーブル選びが重要です。
ちなみにケーブルの分類を表す「カテゴリ(Cat、CAT)」は、数字が大きくなるほど伝送帯域と通信速度が速いことを意味します。これを道路に例えると通信速度は車の速さ、伝送帯域は道幅のようなものと言えるでしょう。一般的な光回線は最大通信速度が1Gbpsで、伝送帯域は100MHzか250MGz。そして、それに対応するLANケーブルのカテゴリは5eか6ですので、将来的にもっと高性能の機器が登場することを考えても6か6Aを選んでおけば間違いありません。
なお、光回線は一般的に複数の世帯で共有しているため、ここで言う最大通信速度は理論値ということであり、通信速度を保証した数値というわけではありません。そのため、インターネットの使用が重なる時間帯などは回線が混み合い、道路が渋滞するのと同じく速度が遅くなることもあります。どのくらいの帯域かは通信会社などが提供しているスピードテストサイトで簡易的に測定することができます。
引用:学校のネットワーク改善ガイドブック(文部科学省)
ケーブルを新たに購入するような場合はパッケージを確認すれば良いのですが、自宅にあるものを使う時はケーブルに印字された「CAT」の表記を確認しましょう。あまりに古いものは光回線などに対応していない場合があります。また、ケーブルに限らず、機器側がどの速度に対応しているかを確認することも必要です。
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スリム、フラット、PoE…LANケーブルの種類はシーンに合わせて選ぼう
LANケーブルはカテゴリだけでなく形状も様々。一般的なものよりも細いスリムタイプや平たいフラットタイプ、折り曲げに強いメッシュタイプのLANケーブルは、絨毯の下や狭い場所に配線したりする際は便利です。ただ、通信の安定性はスタンダードなものより多少落ちることがあります。屋根裏でねずみにかじられたり、ペットが噛みついたりする心配があるなら、外皮に金属が使われているケーブルを選べば安心です。
防犯カメラなどの電源を確保しにくい機器には、PoE(Power over Ethernet)対応の録画機本体からの電力供給も可能なLANケーブルを使うと便利です。電力供給をする場合は通常の使用よりも温度が高くなるので、PoEに対応したケーブルを選びましょう。
コネクタにもいろいろな形状がありますが、ケーブルを抜き差しする頻度が多い場合は爪が折れないようにカバーのついているものが便利です。
また、LANケーブルは長過ぎると邪魔になったり、オンラインゲームでラグ(遅延)の原因となって勝敗を左右するなど、通信そのものの品質が低下したりする可能性があり、かといって短過ぎれば延長ケーブルが必要になります。LANケーブルは1m以下から100mを超えるものまで種類が豊富なので、部屋の広さやレイアウトを考えて適切な長さを選びましょう。ケーブルとコネクタ、工具が揃えば自作もできるので、最適な組み合わせにしたオンリーワンのLANケーブルを作ることも可能。ただし、どんなケーブルも踏んだり過度に引っ張ったりすることは厳禁です。
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もう迷わない!基本を押さえて最適なLANケーブル選びを
LANケーブルの価格は数百円から数千円までと幅広く、形状・種類も豊富です。いざ購入しようと思うと悩むかもしれませんが、基本的な情報を押さえておけば、使う環境に最適なLANケーブルが選べ、より安定した通信を楽しむことができます。
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