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NFT×メタバースとは?話題沸騰のテクノロジーをわかりやすく解説

2022.4.8

ユピスタでも以前ご紹介した、いま話題のデジタル仮想空間「メタバース」。今回はそのメタバースにおける経済活動にもっとも影響を与える「NFT」という技術についてご紹介します。「所有できるデジタル」という新しい価値観を実現させたNFTとは?メタバースで活躍するクリエイターたちの夢を広げる話題の新技術を、わかりやすく解説します。

メタバースとは新たな空間に生じる「価値」

メタバースとは

VR技術の進歩に伴い、身近になりつつある仮想世界。中でも特に注目を集めているのがメタバースです。ユピスタでも何度かご紹介してきましたが、メタバースでは自分のアバター(分身)を使い、現実(リアル)と同じような生活を送ることが可能。エンターテインメントを楽しんだり旅行したり、勉強したり仕事をしたり。リアルでの制約にとらわれることなく、なりたい自分になって別世界での生活を満喫することができます。

そして、ここで必要になってくるのが、メタバースでの生活を支える様々なアイテムです。アバターたちがゲームで使用するアイテムに始まり、メタバースでの生活に使用する家や衣服を入手したり、時には売買したりすることが必要となってきます。

このようなデジタルな世界での経済活動で、今もっとも熱いのが「NFT(Non-Fungible Token・非代替性トークン)」です。「NFT」は、あるデジタルデータがオリジナルであり唯一無二のものでもあるという情報、あるいはその情報を付与するための技術を指す言葉として使われます。実は、このNFTこそが「所有できるデジタル資産」という新しい価値観を、メタバースに、さらには私たちのリアルな世界にさえも持ち込んだのです。

NFTと紙幣や貨幣は何が違うのか

メタバースとは

デジタルデータが「オリジナルであること」を証明するのは、実は簡単なことではありませんでした。というのも、デジタルなモノは、アナログのそれとは異なり、とても簡単に複製が作れてしまうからです。「モナ・リザ」の複製を作るのは非常に大変ですが、デジタルツールを使って描いたイラストなら、ワンクリックでコピーやスクリーンショットを撮ることができます。さらにはダウンロードやシェアもあっという間。技術的には、誰でもそれを「所有する」ことが可能です。

そのような中で、「どれ」がオリジナルか、また「誰が」オリジナルの所有者であるかをはっきりさせることは非常に困難でした。それを可能にしたのがNFTです。

例えば、あるデジタルアートが売り出され、それを購入する人がいるとします。その絵がNFTと紐づけされていれば、その作品は唯一無二の「オリジナル」であり、購入者は「正規の所有者」であることが担保されます。もちろんそれ以後、誰でもネット上でそのイラストをコピーし、保存することは可能ですが、購入者以外の人が所有しているのはすべて「ニセモノ」と断言できるようになります。このため、他に二つと同じもののない「資産として所有する」ことが可能になるわけです。

そのうえNFTには、そのデータを転売した場合、その情報を追加することも可能です。そのデータを誰が最初に購入し、何人の手を渡ってきたのか、所有権と由来を証明することができます。NFTが貨幣や紙幣と異なるのは、まさにこの点です。偽造不可能な鑑定書および所有証明書付きのデジタル資産として、クリエイターと所有者の双方の権利を守る技術なのです。

NFT×メタバースが作るクリエイティブの新時代

メタバースとは

ただ、そう聞くと今度は、そもそも所有するデジタルデータが「オリジナル」である必要はあるのだろうかと感じる人もいるかもしれません。確かに、オリジナルもスクリーンショットも見た目は同じですよね。

しかしそこが人間の価値観の面白いところ。本物のゴッホに何十億ものお金を出す人がいれば、一方ではよくできた複製で十分だと感じる人もいます。本なんて読めればよいと思う人もいれば、その初版本に何倍もの値段をつける人がいる。もうお分かりのように、主観によって価値が決まるアートの世界で、NFTが重宝される理由がこれなのです。NFTアートを購入しても実物が届くわけではなく、購入したサイトに「Owned by you(あなたのもの)」と表示されるだけですが、これはファンにとって唯一無二のオリジナルを自分が持っているという満足感・安心感。NFTは、それを保証してくれるのです。

また、NFTはクリエイターたちにも新しいチャンスをもたらしました。メタバースで必要とされるアイテムや不動産、音楽やチケットなど、様々なものをNFTと紐づければ、より安全に販売できます。商品の安全性が担保されれば投機としての購入も増え、若いクリエイターにとっては大きなチャンスとなるでしょう。

加えてNFTには、特定のプログラムを組み込めるという特徴があります。例えば、そのコンテンツが転売されると、作者に何パーセントかの利益が還元されるとプログラミングしておけば、転売されればされるほど制作者にお金が入ってきます。これはキャリアの少ないクリエイターや、事務所に所属していないアーティストにとっても、ありがたいシステムなのです。

クリエイターにとってますます夢のある時代へ

NFT技術により、メタバースはさらなるビジネスチャンスの宝庫となるでしょう。もちろんまだまだ課題も多く、法整備やコンテンツを見極める目も必要とされます。それでも「所有できるデジタル資産」という新しい価値観を実現させたNFTは、デジタル社会において、すでになくてなくてはならないものとなっています。クリエイターにとって、新しい夢が大きく広がる時代は確実に到来しつつあります。

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【執筆】ユピスタ編集部
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