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EVやコネクテッドカーで急速充電が可能に?数分で充電できる新素材電池とは

2022.11.29

脱炭素社会に向け2030年代にガソリン車の新車販売が禁止されるというニュースが、2021年に大きな話題となりました。しかし、電気自動車(EV)の普及にはまだまだ課題が残されています。本記事では、EV普及のカギとなるかもしれない新素材を使用した充電技術やコンパクトモビリティへの取り組みを紹介し、テクノロジーの向上がEVの普及をどこまで後押しできるか、その技術の進化と未来について語ります。

急速充電に革命を起こす素材が開発されている?

急速充電

日本での電気自動車(EV)普及率はかなり低く、2021年の新車販売台数のうち、EVはわずか0.9%にとどまります。EV購入をためらう原因として、EVの航続距離の短さと充電時間の長さを挙げる人は少なくありません。

ガソリン車の場合、満タンにすると平均600km、車種によっては1500km以上も走ることができますが、EVの航続距離は200〜300km、長くても600km程度です。また、EVに搭載されているリチウム電池は急速充電すると電池が劣化するという厄介な特性を持ち、満タンにするまで10時間近くかかることも。かといって航続距離の長い大型バッテリーを積んだEV車はかなりの高額になってしまいます。

EVの課題であるこのバッテリー問題に近年、新しい解決方法が登場しました。それが新素材を使ったリチウム電池です。日本の大手電機メーカーが目を付けたのは「ニオブ」という希少金属で、この物質を使用した次世代リチウム電池はわずか6分で90%充電でき、EVに搭載すると320kmの走行が可能になります。さらに、電池の寿命を3〜10倍延ばすという特徴まで持っています。このニオブ、200年分の埋蔵量が確認されているのだとか。またアメリカの企業は、「シリコン」を使ったリチウム電池を開発しました。「3Dシリコン」リチウム電池は、テストにおいて5.2分で80%、10分未満で98%の充電を達成しています。

これらの新素材によるリチウム電池がEVに搭載されれば、出先での充電がもっと気軽に行えることでしょう。たとえ航続距離自体はそれほど延びなくても、数分で完了する急速充電はEVへの抵抗感を大きく軽減してくれるはずです。

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EVやコネクテッドカーで想定される走行距離

EV普及に向け、別の角度からのアプローチも始まっています。それが超小型EVです。これは軽自動車よりも小さな電気自動車で、1人乗りで原付扱いの「ミニカー」と、1〜3人乗りで軽自動車扱いの「超小型モビリティ」に区分されます。

日本のある調査で自家用車を運転する人に年間走行距離を尋ねたところ、半数以上が3000km〜7000kmと回答しました。彼らの年間走行距離は平均して約6017kmで、これは1か月に約500km、1日に約17kmしか運転していない計算です。日本よりも車社会なアメリカでさえ、1日の平均走行距離は30km程度なのだとか。また、国土交通省の調査では、日本の乗用車の平均乗車人数は1.3人でした。

ミニカーや超小型モビリティはこうした短距離かつ少人数の移動にうってつけで、4〜5人乗りの車に1〜2人が乗って移動するよりはるかに効率的かつ、環境に優しい移動方法です。超小型モビリティは小回りが利き、駐車スペースもとりません。通常のEV車に比べると値段も安く、100万円を下回る車種も登場しました。原付や軽自動車扱いなので税金や保険料も安く、新車購入時には国や自治体からの補助を受けられる場合もあります。

以前ユピスタでも、コンパクトモビリティがスマートシティの主な交通手段として活躍する可能性についてご紹介しました。ネットワークの発達と環境負荷低減の観点から、今後1台当たりの走行距離はさらに下がると予想され、超小型モビリティ、さらにはインターネットと繋がったコネクテッドカーなどの需要は高まっていくかもしれません。

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急速充電

急速充電が可能な新素材を使ったバッテリーや超小型EVの開発などがEV普及を後押しするなか、充電インフラの整備も急を要します。

実は、充電スポットはすでに全国2万カ所近くに設置されており、この数字は全国のガソリンスタンド数の6割以上となっています。カーディーラーや高速道路のサービスエリア、道の駅、宿泊施設、スーパー、コンビニなどあちこちに設置されているのですが、あまり認知されていないのが実状です。ちょっと検索してみると、自分の家の近くに予想以上にたくさんの充電スポットがあることにびっくりするかもしれません。

充電スポットの空白エリアを埋めると同時に、既存の充電スポットの認知度アップをはかること。また、車の販売店や有料施設は入りにくいと感じる人も多いので、気軽に利用できる充電スポットを増やすこと。集合住宅などへの整備導入をすすめること。こうして給電・充電に関する課題が解決されていけば、EVの普及にさらに弾みがつくことでしょう。

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【執筆】ユピスタ編集部
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