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VTuberやゲーム配信者などに活用され、大活躍のリアルタイムボイスチェンジャー。様々なエフェクト(加工)がかけられたり、いろいろな声が登録されていたりと、その機能も急速に進化しつつあります。近年では電話やインターホンにもボイスチェンジャーが搭載され、プライバシー保護や防犯対策として日常生活の中でも使えるようになりました。この記事では、そんなボイスチェンジャーの仕組みと活用事例を紹介します。

ボイスチェンジャーはパソコンやスマートフォンのマイクから取り込んだ声を、別の声に加工して出力することができる機能を持ったツールです。

声を変えること自体は目新しい技術ではありません。テレビなどで見かける覆面インタビューでは、よく「プライバシー保護のために音声を変えています」とテロップが出ますが、あれは機械的に声のピッチ(高さ)を変えているだけ。周波数を変えるだけでも、まったく違う声に変換できるのです。

しかし、最近はAIを使ったより高度なボイスチェンジャーが登場しています。AIに「なりたい声」を学習させておけば、それをサンプルにして音声を作ってくれます。サンプルにする声の長さは10分程度でもOK。ボイスチェンジャーを使えば子どもの声やお年寄りの声、美少女キャラクター風の声や中年男性風の声、さらには有名人や好きなキャラクターの声に、自分の声を変えることができるのです。ボイスチェンジャーには録音した声を変えるものもあれば、話しているそばからリアルタイムで声を変えるソフトもあります。

また、とある有名なアプリケーションソフトには、「女の赤ちゃん」から「マリリン・モンロー風」、「校長先生風」など、数十もの声がプリセットされており、なりたい声を選んで声色やピッチを調整するだけで、リアルタイムに変化する自分の声を楽しむことができます。

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ボイスチェンジャーが活躍する舞台として、まず挙がるのがゲームなどのエンターテインメントです。日本では多くの動画配信者が顔を出さずに配信を行うので、VTuberやライバーさんたちはボイスチェンジャーを使い、自分の声をキャラクターと合うものに変えて配信を行います。

オンラインゲームやVRゲームを楽しむ時は、自分のアバターに合った声を使えば、その世界により没入することができます。近年はバーチャル空間の中で成人男性が美少女キャラになりきって活動する「バ美肉」、つまり「バーチャル美少女受肉」という言葉が注目されています。こうしたケースでも誰もが自由に声を変えられるボイスチェンジャーは必須アイテムです。

また、女性だとセクハラを受けるリスクもあることから、知らない人とゲームをプレイする時は安心して楽しむため、ボイスチェンジャーで声を変えるという人もいます。

もっとも、声の年齢や性別は変えられても「喋り方」は変わりません。女性と男性では語彙だけでなく、間の取り方や抑揚の付け方が違うものです。より完成度の高いボイスチェンジを目指すなら、自分が話す時のクセを消す練習が必要です。また、使用するボイスチェンジャーによっては、パソコンのスペックを要求されることがあります。特にゲームの実況をする場合などは、ある程度の性能を持ったパソコンと、ノイズをカットできる単一指向性のマイクが必要かもしれません。

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ボイスチェンジャーは日常生活にも活用できます。例えば、ボイスチェンジャー付きのインターホンや、ボイスチェンジャーをインストールしたスマホがあれば、自分の声をリアルタイムで変えることにより、迷惑電話やしつこい勧誘を「別人の声」で断ったり、置き配を依頼したりするなどの防犯対策として使うことができます。

こうしたアイテムは、子どもに留守番をさせる時や、女性のひとり暮らしであることを知られたくない人、勧誘を断るのが苦手な人にとっては、大変ありがたい存在となります。

また、顔出しをしないオンライン会議などで、プライバシー保護のためにボイスチェンジャーを使う人もいます。このような場面では声を変えることにより、いつもよりリラックスして発言できるというメリットもあります。

ただし、声のサンプルを集めて自分と違う声を作成する場合は注意が必要です。現在、声の「肖像権」について明確な規定はありませんが、声優など有名人の声を使った非公式のボイスチェンジャーはトラブルの元。利用には細心の注意を払いましょう。ボイスチェンジャーは「オレオレ詐欺」などに利用されることもあります。楽しさや利便性の高さに目が行きがちなボイスチェンジャーですが、悪用されるケースもあるということを念頭に置いておきたいものです。

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多くのボイスチェンジャーは無料で手軽に利用できます。エンタメや防犯、プライバシー保護にと、今後も活用の幅はさらに広がっていくでしょう。近い将来、TPOに合わせて洋服を着替えるような感覚で、シーンに合わせて声も気軽に替える時代が来るのかもしれませんね。

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