SDカードが2000年に発売されてから25年を迎えます。たったの8MBから始まったSDカードの容量は間もなく4TBに到達しようとしています。データの書き込みと削除を安全に問題なく繰り返すことが可能な切手サイズのSDカードには、どのような仕組みが組み込まれているのでしょうか。SDカードの仕組みと進化の歴史についてまとめます。
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SDカードが2000年に発売されてから25年を迎えます。たったの8MBから始まったSDカードの容量は間もなく4TBに到達しようとしています。データの書き込みと削除を安全に問題なく繰り返すことが可能な切手サイズのSDカードには、どのような仕組みが組み込まれているのでしょうか。SDカードの仕組みと進化の歴史についてまとめます。
データを記録する媒体にはいろいろなものがありますが、そのひとつが薄いカード状のメモリーカードです。様々な種類があるメモリーカードの中で、もっとも活用されているのはやはり切手サイズのSDカードでしょう。
SDカードにはフラッシュメモリという記録チップ(半導体メモリ)が搭載されており、電気によって電子の状態を変化させることでデータを記録しています。また、SDカードにはどこにどれだけのデータを書き込むか指示するコントローラと、不正コピーを防ぐための著作権保護機能も搭載されています。切手と同じくらい小さなカードなのに、たくさんの機能が詰め込まれているわけですね。ちなみにSDカードのSDは「Secure(安全な) Digital」の略であり、その名称はSDカードが持つ著作権保護機能に由来するともいわれています。
SDカードはサイズによって大きいほうからSD→mini SD→micro SD、容量によって小さいほうからSD→SDHC→SDXC→SDUCと分けられます。2024年には4TBという超大容量のSDUCが発表されて話題となりました。4TBというと外付けHDDなら地デジ放送が480時間録画できるけた外れの容量です。小さなカードの中にそれだけの情報が記録できるというのは驚きですが、4TBのSDカードが発売されたらその価格はいくらくらいになるのでしょうか。容量から単純に計算すると、10万円を超えるかも。実際のところどうなるのか、発売が楽しみですね。
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SDカードが登場したのは今から25年前。当時は様々な規格やサイズのメモリーカードが販売されており、デバイスによって記録媒体を使い分けなければならない煩わしさがありました。そこで「SDアソシエーション」という規格標準化団体が設立され、どんなデバイスでも使用できるように統一されたSDという規格が誕生します。
SDカードはそれまで使用されていたMMC(マルチメディア)カードに著作権保護機能をつけて発展させた形で開発されました。発売が始まったのは2000年。最初に販売されたSDカードの容量は、たったの8MBでした。
その後、SDカードは飛躍的な進化を遂げます。8MBでスタートした容量が1000MB、つまり1GBに到達したのは、登場からわずか4年後の2004年です。2006年には早くも最大32GBを想定したSDHCカードが登場し、2009年には最大2TBまで対応できるSDXCが策定されました。
実際の容量は2019年に1TB(1000GB)に到達。それから5年が経って4TBの発表となります。SDカードの容量は25年で約50万倍に増加したことになります。この四半世紀でスマホやデジカメ、ハイビジョンが一般的となり、記録媒体の高速化・大容量化も求められるようになりました。もちろん、メモリ技術も飛躍的に進歩。SDカードは社会のデジタル化とともに大きく進化してきたのです。
こうして発売から25年の時を経た現在のSDカードには、小型で持ち運びやすく駆動音がしないなどのメリットがあり、今や数えきれないほど多くの電気製品に活用されています。しかし、同じ容量でもスピードクラスや転送速度が違うと、パソコンへのデータ転送や連写撮影の快適感が変わってきます。カードの表面に記載されているスペックを見て、デジカメに、ドラレコに、スマホに、ゲーム機にと使い分けましょう。
また、SDカードは多くの機能を搭載した精密機械なので、取り扱いは丁寧に。特にmicroSDカードはチップと一体化しているので、カードに傷がつくと復旧不可能になりかねません。身近なものだけに扱いが雑になりがちですが気をつけたいですね。
ただし、いくら25年という短期間で目を見張るほど進歩したといっても、SDカードは書き換え回数やデータの保持期間、脱着回数に限界があり、容量に余裕があっても永続的に使えるというわけではありません。デバイスによっては定期的な自動フォーマット機能やSDカードチェック機能があることもありますが、データを時々チェックして異常があれば、早めに別のメディアに移しておきましょう。ドライブレコーダーのように上書きを繰り返し、しかも実際にデータを見る機会があまりないような機器は、データの破損に気づくのが遅れてしまう恐れがあるので万全を期したいですね。
ネットショップなどでは大容量のSDカードが非常に安く販売されていることがあります。しかし、不自然に安価なカードは「容量詐偽」の可能性も。これらの中には、表示されている容量までデータが保存できない、保存していたデータが消える・破損するといったものもあるので、危険を回避するためには相場を知って信用できる店舗で購入することが大切です。
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今や私たちの生活に欠かせないものとなったSDカードは、この25年で大きく進化していることが分かりました。SDカードは身近なデータの記録媒体として、今後も活躍し続けてくれることでしょう。25年分の進歩が育んだ高性能なメディアを上手に活用して、大切な思い出や貴重な記録を残していきたいものですね。
※SD、microSD、SDHC、microSDHC、SDXC、microSDXCロゴはSD-3C,LLCの商標です。
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