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360度カメラで全方位をカバー!ドラレコや防犯カメラのレンズの種類と仕組み

2024.6.17

私たちの周囲には安全を守るために多くの「目」が設置されています。日常に溶け込んでいる防犯カメラやドライブレコーダーには、どんな種類があるのでしょうか。レンズの種類やそれぞれのメリット、そして360度を見渡す全方位カメラの仕組みを解説します。

防犯カメラのレンズは3種類―その特徴とメリット・デメリット

最近の犯罪捜査では防犯カメラやドライブレコーダーの映像によって犯人特定に繋がるケースが増加しています。警視庁によると検挙の1割以上が防犯カメラやドライブレコーダーの映像が決め手になっているのだとか。

防犯カメラは私たちの安全を日々見守っていますが、使用されているレンズは映せる範囲によって種類が異なり、「固定レンズ」「バリフォーカルレンズ」「PTZレンズ」の3つに大別できます。
「固定レンズ」は基本的にカメラ自体でズームやピントを合わせることができず、撮影する画像も同じ画角になるので自宅前や店舗のレジなど、特定の場所を常に監視したいという場合に適しています。このタイプは比較的低価格なものが多いので、目立つ場所に威嚇効果として設置する際なども、費用の負担を気にせず手軽に導入できます。
「バリフォーカルレンズ」はパソコンでの設定やレンズに付いているつまみを手で動かすことでズームやピントの調整ができるレンズです。設置した後でも調整が可能なので、もう少しズームアップして見たい、などと思った時には便利です。
そして「PTZレンズ」は上下・左右に動かすことができるレンズです。遠隔操作で自由に向きを変えられるため、ペットのような移動するものを対象にする場合、リアルタイムでの見守りなどにも利用できます。

また、引きで広範囲を映す広角と狭い範囲をアップで映し出す望遠が選べ、超広角タイプのものは魚眼レンズという名称でも呼ばれています。メリットやデメリットはそれぞれにあり、スペックや種類によってコストも異なります。後から交換することは難しいので、購入前にレンズの特徴を知り、どこに設置して何を撮影したいのか考え、よく検討した上で慎重に選ぶことが重要です。

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ドラレコでも活躍!360度映せる全方位カメラの秘密は魚眼レンズにあり

360度カメラ

防犯カメラやドライブレコーダーの中には、360度の周囲をぐるりと撮影できる「全方位カメラ」と呼ばれるものもあります。このカメラはどんな仕組みになっているのでしょうか。

全方位カメラには「全天球」と「半天球」の2種類があります。通常、全天球カメラには2枚の魚眼レンズ(超広角レンズ)が搭載されており、それぞれが上下、あるいは前後の片面ずつを撮影して自動的に合成し、全方位の映像が見られるようになっています。映像は4分割モード・魚眼モードなど、いくつかの表示形式で見ることができます。

一方、半天球カメラのレンズは正面側を映す1枚だけなので、撮影される映像はドーム型になります。壁や天井に設置するタイプの場合、レンズの後ろとなる壁側はもちろん映りませんし、手持ちカメラの場合は下半分、つまり撮影者の足元が映りません。

ただ、360度カメラといっても車に取り付けた場合、死角がゼロになるわけではありません。後部座席などに視界を遮られるので、映らない部分はどうしてもできてしまいます。そのため、万全な事故対策をしたいというニーズに対しては、リアカメラなどを組み合わせることが推奨されています。船舶や重機などに搭載されているレコーダーでは、360度レンズを前後に2つ搭載して720度の映像を記録したり、水平方向の全方位レンズに垂直方向の210度を記録可能なカメラを組み合わせたりして限りなく死角をなくし、安全な運行・作業ができるように工夫されています。

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AI画像認識やVRにも―監視や防犯だけじゃない!広範囲カメラの活躍

360度カメラ

広い範囲を映すことのできるレンズやカメラは、もともと工場や店舗の監視用として開発されましたが、近年では河川・ダムの水量や沿岸部の津波監視など、防災対策に活用されることが増えてきました。イーサネットや無線LAN、SIMを使った監視カメラが24時間見守ってくれるおかげで、危ない場所にわざわざ行かなくてもいちはやく危険を察知し、安全が確保できる場所への避難を促すこともできます。

また、介護施設や病院における患者の見守りや、道路の交通量や混雑状況をチェックする場合にも活用されています。これらのカメラには画像や音声のAIが搭載され、悲鳴、荷物の置忘れや倒れ込みの検知、人数のカウントなど、様々な機能が効果的に活用されています。さらに、最近ではホテルなどが周辺の景色を配信したり、店舗の空席状況などをリアルタイムで発信したり、あるいは不動産業者が物件内部の紹介に使用するなど、集客ツールとしても活躍しています。

全方位を映せる360度カメラは、3D画像の作成や画像解析、VR映像などにも欠かせません。臨場感満点の迫力あるVR映像やゲームは、全方位カメラで撮影した映像から作成されています。

また、ネットワークカメラがペットや高齢者の見守りなどに活用され、今では一般の家庭でもおなじみのものとなりました。全方位が撮影できるスマホ用のカメラアプリも登場し、私たちは手軽にほぼ360度のパノラマ撮影を楽しむことができます。レンズの種類や仕組みを知っていれば、もっと便利に使用することができ、撮影をより楽しめるかもしれませんね。

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防犯カメラやドラレコのカメラとレンズ選び 我が家にピッタリなタイプはどれ?

世界には今、10億台以上の監視カメラがあると言われています。ひと昔前は防犯カメラがプライバシーの侵害ではないかと抵抗感を持つ人もいたものですが、今ではそうした意識にも変化が見られ、「防犯カメラがあるから安心」という捉え方が浸透しています。街や自動車で私たちの安心・安全を守ってくれるカメラやレンズの種類や性能を知り、製品を選ぶ際は状況やニーズに合ったものを導入したいものです。

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ユピテルでは、360度カメラや360度&リアカメラを備えたドライブレコーダーをラインアップ。車両の前後・左右そして車内を記録できるので、ドライブ中も安心です。


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【執筆】ユピスタ編集部
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