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Web3.0とは一体何か?話題のメタバースとは何が違うのか

2022.9.27

インターネットが普及し、生活は便利になる一方でさまざまな問題も浮上しました。それらを解決すると考えられているのが、次世代のインターネットWeb3.0です。Web3.0とは何か。そしてその概念が注目されるようになった背景とは?
さらに、すでに実現しつつあるWeb3.0のサービスについて解説します。

Web3.0とは何か?

Web3.0は、しばしば「分散型インターネット」と説明されます。何を分散するのかというと、インターネット上の個人情報を含めたさまざまなデータとそれに伴う権益です。考えてみれば、私たちが日常的に使っているインターネットサービスは限られた一部の企業・機関のものが大半で、それはあまりよろしくないのでは…ということでWeb3.0が生まれました。

Web3.0では、情報や権益を一部に集中させることなく、個人から大企業まで平等に分散させた「民主的な」インターネットが実現します。自分がどのように・どんなサービスを受け取るかを自分で決めることができます。金融機関やクレジットカード会社の仲介なしで取引ができ、国の制限を受けることなく、世界中の人が自由にサービスを利用することができます。しかも、不正や情報漏洩などの心配もなく、極めて安全に行うことができるのです。

しかし、なぜこのような概念が必要とされたのでしょうか。インターネットの歴史を少し振り返れば、理解しやすくなります。

Web1.0から3.0へ! インターネットの世界の変遷

Web3.0とは

Web3.0までの歴史
インターネット黎明期の90年代〜2004年頃、当時は誰もがパソコンを使い、インターネットに接続していました。情報を発信できるのは一部の人だけで、多くの人にとってインターネットとは「Read only」、つまり「閲覧する」だけのものでした。この時代をWeb1.0と呼びます。

その後、インターネットの世界をがらりと変えたのがスマホとSNS。閲覧するだけであったインターネットは、誰でも簡単に情報を発信できるようになりました。インターネットは「Read only」から「Read-write」へ、つまり一方向から双方向へと変化したのです。これが現在のWeb2.0の時代です。

これに伴い、弊害も出てきました。SNSを含むインターネットサービスを担うのが、ごく一部の巨大企業に限定されたこと。GAFAM(ガーファム)と呼ばれるそれらの大企業が、必然的に非常に大きな力を持つようになりました。2021年、元アメリカ大統領のSNSアカウントが一方的に永久凍結されたのは記憶に新しいですよね。

「最近、スマホに自分が検索したことに関連する広告ばかり出てくる」「なぜ、自分の予定や好みが分かるのだろう」と感じることはありませんか。日常的にお世話になっている検索エンジンやネットサービスですが、お世話になっているということは、裏を返せば個人情報を日々提供しているということ……。それらのデータ管理はどのように行われているのでしょうか。万一、流出してしまったら?など、このようなプライバシーやセキュリティの問題を解決するため、Web3.0は考えられました。

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NFTやメタバースが加速させるWeb3.0

Web3.0とは

もちろんWeb3.0が話題となっているのは、技術の進化による影響も大きいでしょう。例えばセキュリティを担保するブロックチェーンであったり、XR技術であったり。Web3.0で中心となるデバイスは、パソコンやスマホではなくVR機器だと考えられています。メタバースでできることが増えることで、仮想空間にいる時間はさらに長くなることでしょう。

実は、すでにWeb3.0の概念を実現するサービスのいくつかは実用化されています。
「Brave」というブラウザでは、基本的に個人データや検索結果に基づく広告はブロックされます。一方で、広告表示に同意すれば、視聴した広告数に応じて暗号資産(仮想通貨)が支払われます。経済関連に目を向ければ、金融機関を通さない「DeFi」というサービスでは、管理者に手数料を払うことなく利用者同士での取引ができます。また、会員登録や決済情報の入力なしで、商品やコンテンツの購入ができるサービスやゲームアプリも登場しています。「DAO」と呼ばれる「誰でも平等に参加できる」、いわば「役員のいない株式会社」のような仕組みさえ始動しています。

もっともWeb3.0には税制の問題など課題もあり、インターネットがWeb3.0に完全移行するにはもうしばらくかかると考えられています。それでも、新しいネット世界の構築に向けて世の中はすでに動き出しており、その行方には大きな期待が寄せられています。

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Web3.0でますます広がる可能性

多くの人にとって、インターネットが身近になったのはここ30年ほどのこと。そのわずか30年の間にネットとの関わり方は大きく変わりはじめ、そして今もまた変わろうとしています。今後も新しいビジネスは続々と誕生し、想像もできないようなインターネット体験が実現することでしょう。これからもますます広がるインターネットの可能性を楽しみにしたいものです。

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【執筆】ユピスタ編集部
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