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Web3.0を知る3つのキーワード。メタバースだけではないブロックチェーン技術

2022.12.12

Web3.0(Web3)とは、新しいインターネットの世界観、次世代のネット世界のありかたを表した言葉です。単に情報を閲覧するだけだったインターネットは、双方向に情報をやり取りすることができるツールとなり、さらに今、私たちの生活のあり方をも大きく変えようとしています。来るWeb3.0の時代に向けて、「自律分散」「透明性」「所有権」という3つのキーワードから、その全体像と概念を解説します。

Web3.0は自律分散で安心!どれかがダウンしても動き続ける安定したサービス

Web3.0の特徴のひとつは、非中央集権型のインターネットであるという点です。以前もご紹介しましたが、現在のインターネットサービスはいわゆるGAFAM(ガーファム)と呼ばれる一部の大企業に依存しており、資源・富・力の集中による弊害が懸念されています。情報漏洩の危険はもちろんですが、例えば自分がよく使用している、特定のインターネットサービスで登録しているアカウントが、大企業の都合でいきなり凍結されてしまったら?私たちは、買い物や旅行はおろか、誰かと連絡を取ることさえできなくなるかもしれません。

こうしたリスクを回避するために考案されたのが、非中央集権的なインターネットです。それを象徴しているのが、日本語で「分散型自立組織」を指す新しい組織形態「DAO(Decentralized Autonomous Organization)」でしょう。DAOでは、すべての参加者が運営に関する決定権を持つことができます。株式会社と似ていますが、それと大きく異なるのは、メンバーの投票による決定が「自動的」に実行されるということ。走り出した組織は最初に決まったルールの下で自動的に動いていくため、誰かがそれを自分の利益のために意図的に操作することはできません。

ある調査によると、DAOの数は2021年時点の700から、1年間で8.8倍の6000に増加したとか。また、業種も複雑化が進んでおり、金融機関の「Defi(分散型金融)」をはじめ、仕事の仲介を行うもの、製品を共同で開発するもの、人道的な活動支援をするもの、映画製作をするもの、といったユニークなDAOも登場しています。特定の誰かに力が集中することのない、完全な民主主義ともいえる「自律分散」という考え方。これはWeb3.0の最も大きな特徴のひとつです。

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ブロックチェーン技術で信頼性が担保され、透明性のあるデータを構築

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DAOのこうした仕組みを可能にしているのが、ブロックチェーンという技術です。従来、データ管理は1カ所に保存されたものを管理人が守るというスタイルが一般的でした。しかし、ブロックチェーンの場合、保持するデータはブロックのようにつながり、関係者が相互に監視しています。取引履歴はすべて可視化され、もしどこかを改ざんしたいならば、それ以降につながる全データを改ざんしなければなりません。そのため、ブロックチェーンではデータの書き換えがまず不可能。この分散管理と透明性が、データの信頼性を担保します。
今まで「信用」の担保は国家や企業の役割でしたが、それをテクノロジーが担うようになったというわけです。

ブロックチェーンは暗号資産(仮想通貨)の流通においてまず利用されました。最も信用が必要と言われる暗号資産のやりとりには、ブロックチェーンは最適なテクノロジーなのです。現在、ブロックチェーンは国や業種をまたいだボーダーレスな取引も可能にしています。例えば、流通業においてブロックチェーンの特徴を生かせば、素材の調達から製造、販売、さらには製品の追跡調査といったトレーサビリティ(追跡可能な仕組み)が、企業を超えて実現します。高品質な原材料の確保や持続可能な社会を実現するための課題に向け、ブロックチェーンを使って競合企業が協同し、同じ目的の達成に向かって取り組むといった事例も見られるようになりました。

もちろん、ブロックチェーンが「透明性」という特徴を持つため、ハッキングなどの問題を引き起こさないわけではありません。それでも、Web3.0の時代にブロックチェーンが社会生活の最も重要な基盤となることは間違いないでしょう。

所有権の法整備。メタバースのデジタルデータは誰のもの?

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Web3.0を象徴する3つ目の言葉は、新しい「所有権」です。これはNFT(Non-Fungible Token・非代替性トークン)が実現したものです。NFTによって、私たちはデジタルコンテンツを資産として「所有」できるようになりました。

実は、デジタルコンテンツを「自分のもの」として所有するのは、簡単なことではありません。自分でデザインした服を着たアバター、コーディネートしたインテリア、特殊な効果の付いた装備、デジタルアートや音楽。これらは誰もが簡単にコピー&ペーストし、保存することができます。またゲーム会社など、それらのアイテムを所有・管理している企業が潰れてしまえば、以後、そのアイテムの価値は消えてしまいます。

しかし、NFTはそのコンテンツが確かに唯一無二のオリジナルであり、所持者の所有物であることを保証します。その価値は独自につけることができ、売り買いした履歴もすべて可視化されます。これにより私たちはデジタルコンテンツを「所有」することができるようになり、それを「資産」にすることが可能になりました。その結果、インターネット上やメタバースの中で、現実世界(リアル)と同じような経済活動ができるようになったのです。技術の進化に追いついていない法整備などの課題があるとはいえ、この新しい「所有権」も、Web3.0を語るうえで欠かすことはできません。

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Web3.0はブロックチェーン技術で刻一刻と進化する世界

自律分散する新しい組織のあり方。透明性のある新しいデータ管理方法。そして、デジタルコンテンツを資産にする新しい所有の概念。これらすべての基礎にあるのが、ブロックチェーン技術です。世界が完全にWeb3.0へと移行するにはまだ時間がかかりそうですが、実を言うと、すでに私たちは気づかないところでブロックチェーン技術に触れて生活しています。ウェルビーイング(肉体的・精神的・社会的に良好な状態)から環境問題まで、幅広く関わるブロックチェーン技術は刻一刻と進化し、これからも私たちの生活や社会を豊かにしてくれるでしょう。

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【執筆】ユピスタ編集部
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